私はパチスロで50万円を越える借金をつくり、それでも挽回は可能だと信じていました。
バカだと思われるでしょうが、その時は本気でそう思っていました。
パチンコ、パチスロでは期待値という用語があり、勝ち負けのボーダーラインより上の台で勝負すれば、理論的には勝てると考えられています。
事実そうなのですが、実際にパチンコ店に行くと、そうそう勝てる台がある訳はありません。
勝てる台が店にあったとしても、すでに上級者(パチプロなど)に押さえられていて、サラリーマンが仕事終わりに安定して期待値の出る台(勝てる台)に座れる訳はないのです。
そこに気づかない私はずっと「自分は勝てるはず」と思い込んで借金を重ねていきました。
こんなことを続けていたら家庭崩壊は目に見えています。
どうにかしなければいけないという思いだけは日々募っていきました。
当然ながら借金は減るどころか増えていくばかりでした。
そんな時、借金をしたことがある人を対象に、過払い金が戻ってくるという情報が入ってきました。
自分にどれほど却ってくるのかは分かりませんが、借金が減るなら使わない手はない、と思って弁護士に相談に行きました。
相談の結果、任意整理という形で借金の元金を返していく形をとることにしました。
ただし今後は借金ができないこと、クレジットカードがしばらくの間作れないなどの条件はありました。
しかし借金から逃れたい私はその条件で相談した弁護士に任せることにしました。
残りの借金は毎月少しずつ返済することにし、私は今後ギャンブルをしないことを自分に誓いました。
これからはコツコツと借金を返して、真面目に静かに仕事をして家族を養っていこうと思っていました。
ところがある日、妻に借金がバレました。
弁護士とやりとりしていた書類が妻に見つかったのです。
私にとって修羅場でした。
言い訳しようもありません。
家庭の空気は冷えきって、家にいることが辛かったことを覚えています。
しかし原因を作ったのは私です。
借金を作ったのも私、ローンを組めなくなったのも私、家庭の空気を壊したのも私です。
自分がどうしようもなく嫌になりました。
離婚をされても文句は言えませんでしたが、 妻はそうはしませんでした。
もちろん納得はしていませんが、毎月の借金返済にも協力してくれることになりました。
妻には感謝しています。
私の小遣いは無くなりましたが、それは仕方ありません。
その時の私の気持ちは暗く沈んで、将来に希望もありませんでした。
しかしそれまでは毎日何かに追われるような焦燥感でいっぱいで、生きた心地のしない毎日でしたから、これで借金から解放されると思うと肩の荷が降りる思いもありました。
しばらくの間、粛々と過ごしていけば良いだけです。
家庭での地位が低くなったことにガマンすれば良いだけです。
頭を低くして過ごしていこうとその時は思っていました。
しかし・・
に続く